20年前に出会った小犬との思い出。 ジグソーパズルのような記憶の断片を、 拾い集めて綴ります。
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怖い季節
2007年08月24日 (金) | 編集 |
大将は、ほとんど吠えない犬だった。子犬の頃から
店で過ごしたせいか、人にはなれていた。

子供が大将のアタマをぺちぺち叩いたり、しっぽをつかんだり、
大将にゴハンをあげてるとき、横からフードを取り上げても知らん顔。

犬に対してはフレンドリーではなかったけど、攻撃性もなかった。
ワンワン吠えまくる犬が店の前を通っても知らん顔。

ただ、私がよその犬をなでたりすると「ウォン」とひと声。
やきもちを焼いて吠える。

吠えるのはそれくらいで、家の中でもチャイムや新聞配達の
音にも吠えなかった。

動じない落ち着いた犬だったけど、そんな大将にも苦手なものが
いくつかあった。
そのひとつは雷と花火。

大将が初めて過ごした夏は、雷や花火は平気だった。
それがある日、すごい大きな落雷の音にびっくりして
私が「ギャー、怖いーーーっ」と叫んだ。

それ以来、大将も雷の音を怖がるようになってしまった。
遠くのほうでゴロゴロと聞こえてくると、ウロウロ、ハアハア。
自分のソファで寝てても私の腕と脇の間にアタマを突っ込んできて、
ブルブル震える。

花火も同様で、打ち上げ花火のピューって音がするとダメ。
子供が道で鳴らす爆竹の音もダメ。

その音がなくなるまで、私の脇にアタマを突っ込んだり、
出したり、落ち着かずに震えてハアハア。

もうひとつ、大将が苦手だったのが虫。
目の前を飛ぶ虫に、しっぽを巻いて逃げまどう。

いつもの落ち着いた大将とはうって変わった態度が
私には滑稽に見えたけど。

雷や花火の音がする夏、蚊やハエが飛ぶ夏は大将にとって
憂鬱な季節だった。

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イワシ泥棒
2007年08月08日 (水) | 編集 |
大将は昼間は主人の店で過ごしていた。
子犬の頃から、妙に落ち着いていて、お客さんが
来ても興奮したり、吠えることはない。

店の奥でだいたい寝てる。トイレはテナントマンションの
小さな空き地へひとりで行って、用を足したら店に戻ってくる。
排便は朝と夕方の散歩でしかしないから、昼間はオシッコだけ。

主人の店の隣は、なんどかテナントが代わった。
レンタルビデオショップだったり、カーテン屋さんだったり。
ある時期、八百屋さんがテナントに入っていた。

店先にカゴに盛られた野菜や果物が並んでいる。
トイレに行って帰ってくるとき、八百屋の店先を通っても
クンクンすることなく、素通り。

八百屋のおじさんはそんな大将を見て、
「この犬はほんまエライな~」って。

八百屋さんは野菜や果物だけでなく、乾物や干物なども
特売品として売られるようになった。

そんなある日のこと、大将がトイレに行って帰ってくる途中、
八百屋の店先に置かれてたイワシをいきなりパクッ!

店の前でそれを見てた主人が「たいさん、コラッ!」と。
口からイワシの尻尾が出たまま、大将は空き地へ走る。

♪おさかなくわえたドラ猫(犬)、追いかけて~♪
まさにそんな光景。

大将は空き地ですぐさま逮捕。口からイワシを取り上げた。
主人は、八百屋のおじさんに平謝り。

八百屋のおじさんは、「いやいや、かまへんかまへん」
「犬やもん、しゃーないしゃーない」と。
おじさんの家でも犬を飼っているせいか、寛容に許してくれた。

大将は主人にこっぴどく叱られてしょんぼり。

この出来事は、夕方私が仕事からの帰り、店に立ち寄ったときに、
主人から聞いた話だった。
私はその光景を浮かべて、ただ笑うだけだった。

これ以降、2度と泥棒することはなかったけど、
店の前では、引き綱で繋留されるようになった。


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