20年前に出会った小犬との思い出。 ジグソーパズルのような記憶の断片を、 拾い集めて綴ります。
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コロリ病
2006年10月13日 (金) | 編集 |
毛布に包まれ、横たわったまま動かない大将。
電気ストーブの前で、かすかに息をしている大将を
見守りながら、朝を迎えた。

朝、大将は目を開け、起き上がった。
良かった。生きてる。意識が戻った。

でももちろん弱弱しい。クルマに乗って主人の店へ。
私は大将を抱いたまま、近くの動物病院へ行った。

正月、いろんなものを食べさせたことや、
その後の症状を詳しく話した。
大将は診察台で私にもたれて立っていた。

そして血液検査。

検査の結果が出て先生の説明。
「犬の腸炎、コロリ病ですね。
この数値(白血球のこと)で、いまよく立っていられるね。
普通の犬だったら横たわったままですよ。
この子は、心臓が強いね」と言われた。

コロリ病?初めて聞く病名だった。
※コロリ病は今で言うパルボ。下痢、嘔吐が激しく、
体力のない小犬や心臓の弱い犬はショックでコロリと
死んでしまうことから、当時、コロリ病と言われた。


コロリ病の場合、水を飲ませることも命取りになるらしい。
(嘔吐が心臓に負担になるから)

このとき、大将にどんな治療をしたのかよく覚えてない。
たぶん、抗生物質の注射を打ってもらったように思うけど。

まだ、絶飲絶食。水を欲しがるなら、氷をなめさせる程度。
それで嘔吐しないようだったら、徐々に水をあげてもいい。
1ヶ月ほど、下痢が続くかもしれないと言われた。

この頃、大将は排便、排尿は外でしかやらなかった。
家に帰って、玄関には新聞を敷き詰めた。
大将は、自分で歩けるようになっていた。

夜遅く、新聞を敷いた玄関の隅で排便。やっぱり下痢。

家のなかで粗相したことが悪いと思ったのか、
とっても申し訳なさそうな顔をして玄関の隅で、
小さくカラダを丸めた大将がふびんだった。
こんなときにそんな気をつかわなくても。

「ええよ。ここでしてもかめへん(かまわない)で、
おこれへん(怒らない)から」

1ヶ月続くかもと言われた下痢。でも家で下痢をしたのは
この1回だけだった。便は次の日から普通に。嘔吐もナシ。

みるみるうちに大将は回復していった。
知らなかったとは言え、あのとき水をあげてゴメンね。

大将の生命力の強さに感謝した。
死ななくてよかった。元気になってくれてありがとう。
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お願い死なないで
2006年10月06日 (金) | 編集 |
元日、おせち料理のかまぼこや、煮しめなどを
大将に食べさせた。

おいしそうにパクパク。
コロコロの大将はじゃれて、よく動き元気だった。

2日、昼過ぎに大将を散歩に連れていったら、下痢。
あーきっと、昨日食べさせ過ぎたのだ。

夜、また下痢。そして黄色い胃液をもどした。
ドッグフードは食べなくなった。

3日の朝、水溶性の下痢。
元気がなくなり、水しか飲まなくなった。
そして水を飲んでしばらくすると、水を吐いてしまう。

これはおかしい。
病院へ連れて行かないと。
でも、大将を診てもらってる病院は、店の近く。
しかも正月三が日は休診。

電話帳で、とにかく家から近い動物病院を探して電話した。

そこの病院も休診だったけど、運よく獣医さんが電話に
出てくれた。
大将の症状を告げた。
獣医さんから犬種といま何ヶ月か訊ねられた。

「拾った犬なので、よくわからないのですが雑種で、たぶん
3ヶ月ぐらいです」と私は答えた。

すると獣医さんの話し方が急に変わり、
「今から、こっちで診察しても、もう無理だと思います」と言う。

助からないから、診察してもムダといったようなニュアンス。

「お水を欲しがるなら、それだけあげてください」と言って、
電話を切られた。

えっ、なぜ?最初は診察してくれそうな雰囲気だったのに、
拾った雑種の小犬と言ったら、急にもう助からないだろうって。

悲しかった。

明日、店の近くのいつもの病院へ行こう。

でも、時間を追うごとに衰弱して行く大将。
ただ数時間毎に、よろけながらも起き上がって水を飲む。
そして数分もたたないうちに、ゲボゲボっと戻す。

電気ストーブの前で、毛布にくるめて
私はときどき「大将」って呼びかけた。

夜、大将は立ち上がらなくなり、横たわったまま。
私の声にも反応しなくなった。

大将の胸に耳をあてると、心臓はとくっ、とくっと
その音は弱弱しく、今にも止まりそうだった。

お願い死なないで。
こんな小さな命を看取るだけの勇気が私にはない。

お願いだから、死なないで。
大将・・・。
なまえは大将
2006年10月04日 (水) | 編集 |
晴れてわが家の犬になって、小犬はお山の大将から
正式に「大将」と命名された。

団地は犬の飼育が禁止されていたけれど、どこの棟でも
1棟に数世帯は、犬猫を飼っている。
わが家のお向かいさんも、以前小型犬を飼っていた。

だから、わが家に小犬がいてもナニも言わなかった。
それに大将は昼間は店で、家にいるのは夜だけ。

大将は吠えない犬だった。
ふざけて「にゃお~」って呼びかけてみた。
なんどか繰り返していると、私が「にゃお~」と言うと
大将は「にゃお~」って、答えるようになった。
声を出すのはこのときくらい。
普段は、ワンともスンとも言わなかった。

また、大将は私たちの言うことをよく理解した。
店の近くに小さなコンビニがあり、そこへ行き、
店の前で「待ってて」と言うと、私が出てくるまで
ちょこんと店の前に座って待っていた。

ここでときどき、大将の好物のお菓子を買った。
それはグリコのビスコ。

ドッグフードはよく食べ残ししたけど、こういうもの
だったら、喜んで食べた。

店は大晦日まで営業。
元旦は、新しく家族となった大将といっしょに迎えた。
大将と過ごす楽しいお正月、のはずが大将にとって
この年のスタートは、生死をさまようたいへんな正月になった。
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